苦労せずに英語ができるようになる!

わけはない。




そんなわけはない。絶対、聞き流すだけだとか、知らないうちに、とかそういうことで英語が出来るようになるわけない。

たとえばそれが「今まで英語がぜんぜんできなかったのだけど、ちょっと聞けるようになった」とか、「まったくしゃべれなかったのが、お店で違うサイズの服をだしてもらう様にたのめた!」とか、そういう変化ならあるかもしれない。

だけど、まさか、お店やレストランで注文ができれば「英会話バッチリ」というのだろうか。

正直言って日本人のスピーキング能力は、多分国際的に見ても最低レベルではないかと思う。確かに底上げはできていると思う。高校までまともに英語の授業についていけば、辞書をひきひき、英語を読むこともできるだろうし、日本人の書く英語は比較的基本的な文法の法則に限れば、ましかもしれない。(というのは、諸外国の人たちは、英語をぺらぺらと話している様に思えるが、実は文法がめちゃくちゃだったり、ということも多々ある。)

私はこの1年間、狂うほどに英語を勉強し続けていた。ライティングとリーディングは伸びたと思う。が、スピーキングに関しては、今でも言いたいことの半分も言えてない。リスニングも、まだまだ充分ではない。簡単なことを聞き取れないこともある。一日何時間集中して勉強したか。家事の間ずっと英語を聞いていた。聞き流すだけで話せるようになるなんてとんでもない。誰が言ったんだ。誇大広告やめろよ、と思う。

多くの人が言っている通り、スピーキング、リスニングなんてものは、完全に運動能力と同じ、訓練し続けない限り伸びるわけない。聞き流すだけで口から英語がポロっと出てくるわけない。ポロッと出てくるには、何百回も口に出して訓練しなきゃだめなのだ。

日本で小学校から英語教育を導入すると聞いて、やめてくれよと思った。吸収力抜群の小学生の耳に、日本人先生の発音する英語を聞かせるなと思う。耳がダメになる。やめてくれ。それだけはやめてくれ。それだったら、セサミストリートみせてあげるほうがまし。

そこで一案。

どこで英語を取り入れるか。音楽の授業だ!

英語の音楽を覚えさせる。1年で1曲で充分。ネイティブそっくりにまねしながら歌う。歌詞の意味を充分に理解する。それから歌う。音のつながっているところ、すべてまねして歌う。6年間で6曲、英語の持ち歌が出来る。しかもネイティブそっくりの発音で。小学生の英語の授業は、これで充分。その発音の素地と、基本的な歌詞の英文法が体に叩き込まれる。

それから、中学に入って色々な難しい文法を勉強すればいい。正直言って、日本ほど英語の教材の充実している国はない。それなのにこの英語力の低さは何だ!それは

「英語できなくても困らない環境」

が一番の原因なのだろう。つまり英語の出来るアジアの学生さんたちは、公教育の現場や仕事の現場において英語を求められていることが多い。しかし、日本においてはそういう機会は少ない。

しかし、日本以外のアジアの学生さんたちは、英語ができることで早いうちからグローバルスタンダードを目の当たりにするのだろう。

そういう若いアジアの学生さんたちを見るたびに、心が焦る。あぁ、日本はこれからどうなっていくのか、国際競争力がどんどんなくなっていくんだろうな、と思っていくのだ。たとえば大学教育。オーストラリアでは(というか、西洋社会ではみんなそうなのだろうが)、参考資料(書籍や記事など)を引用符なしで無断引用したり、他人のアイデアを拝借したり、ということは非常に厳しく咎められる。エッセイでそんなことしたら、即刻単位はなしとなる。

しかし、私の日本での大学時代の友人たちは、ほぼ全員が「本のまる写し」みたいな卒論を提出して卒業している。よく日本の人たちが、中国などでの本やCDの違法コピーを「知的財産権の認識度が低い」などと酷評しているのを見るが、日本の大学生の書く論文なんて、どう考えても国際的に認められるレベルにあるわけない。そのために、税金でどれだけ教育費つぎこんでるか。他人の書籍の丸写しで卒業できる。恥とも思わなかっただろう。

世界を見るべきだ。

そんな行為は何の役にも立たないのに!

私は正直言って、自分の子供たちを日本の大学へ行かせたくない。最初は現地校に入れるのをためらっていたが、行かせてよかった。英語ができるようになってよかった。日本の大学へ行く必要がないというのは、大きなアドバンテージだ。もちろん、日本にも良い大学は沢山あると思う。だけど、日本の教授たちは、自分たちの研究の方に意識が向いていて、学生への教育に関しては熱心さが足りない気がする。もっと学生たちに、真剣に学ぶ楽しさを教えてあげないと、優秀であるはずの日本の学生さんを潰してしまうことになりかねない。

英語、大学教育。

私は、今、苦労しているこの二つのことを思うと、日本の学生さんが不憫でならない。

はやく、一日でも早く外の世界を見てみなさい、そう言いたいのだが、伝える術を知らない私は、結局、私と同じ苦労をするであろう後世の人たちに対して、何の手助けもできないでいる。
Tweet about this on TwitterShare on Google+0Share on Facebook0Share on LinkedIn0Share on TumblrTEmail this to someone