Waku-Waku in Hong Kong

香港に来てからというもの、私のワクワクが止まったことがない。

メルベンでの生活とはまた違う。正直言うと、メルベンをドライブしていた時のこと、子供たちの学校の友達のこと、そういうことを思い出すと今でも涙が出ちゃう。しみじみと人間の本当の幸せがあそこにはある、と実は思っている。

でもそれは、期間限定のビジターだからの視点だったのかもしれない。だから私は、この香港でビジター然として、家のドアを出た瞬間から始まるワクワクを止めようとしない。

私は学生でバックパッカーだった頃、4回ほど香港に来ている。それは、香港大阪間のタイ航空1年間オープンチケットが、当時のレートで1万円台で買えたからなのだ。アルバイトして貯めたお金で、韓国まで船で、そこから台湾、香港と格安チケットで乗りついで、初めて香港に着いた時から、その「1年間オープン」のチケットを買って日本に帰り、次の大学の休みには、また香港を基点にして、タイ、インド、ネパール、台湾、中国、などなどを訪れ、また帰りに1年間オープンを買う、ということを繰り返していた。私にとっての香港は「旅の始まりの街」。その気持ちを今でも忘れられないでいる。

香港では「ラッキー」という日本人のバックパッカーが集まるところを常宿にしていた。実は場所によっては日本人の集まるところが苦手(タイのバンコクにある日本人に有名な安宿は、とんでもないところだった。すぐにカオサンロードの西洋人の多いところに移ったのだが。何がとんでもないって?あそこには人生に夢も希望も目的もなく、ただただ堕落して日々を消費するだけの「日本人」たちがたむろしていたからだ。そんな彼らに「女の子が一人でインドになど行くな」と延々と説教された。そんな人ばかりではもちろんないのだが。)だったりするのだが、ここには、旅で出会ったバックパッカー仲間の誰かがいつも居て、韓国で出会った友達、インドで会った人、そんな仲間たちの誰かが居て、そんな仲間から、また他のバックパッカーの噂を耳にしたり、とそういうことが出来たのだ。仲間たちの多くは、大学を休学して1年間という長い間旅している人が多く、そういう人たちは、あちこちで色々な人に出会っている。そこで色々なエピソードを提供してくれるのだ。そういう仲間たちと過ごすラッキーの夜は、本当に楽しかった。お正月をそこで迎えた時もある。日本風のおせちとはいかないので、スーパーで買ってきた惣菜なんかを持ち寄って、乾杯なんかもしたな。

そんな私だったので、重慶マンションの火事は、本当にショックな出来事だった。私と同じ様なバックパッカー達が、当時そこに居たのだろうと思うと居てもたってもいられなくなった。

九龍城(塞)にも上がった。屋上から見えた飛行機は、とてつもなくデカく圧巻だった。無法地帯と言われたそこも、実際には「普通の人たちの生活」があり、そこからスーツを着て出勤していく人さえ見られた。水道管から水が吹き出ていたり、電気が切れていたり、そんな風景を見ながら階段を上がっている時は、さすがに「無法地帯と言われるだけある」とは思ったが、そこに私はたまらない「エネルギー」を感じた。

当時の飛行場は、その九龍城近くにあり、その密集したビルがある大都会の真ん中に突っ込んで行くかの様に着陸する風景は感動的だった。初めて台湾から香港に着いたのは夜で、美しいイルミネーションを間近に見ながら、旋回しながら飛行場に突っ込む姿に、多くの欧米人たちが拍手喝采。私もそのムードに押されて一緒に拍手をした。感動的だった。

香港の方に言わせると、昔の飛行場はimpressiveだった、今でもmissだ、と。でも私にだってわかっている。現実的には、飛行場を移転せずにそのまま操業を続けることなど無理だったろう。

ラッキーの仲間とジャズも聴きに行った。ビヤピッチャーだけで粘れるんだぜ、とか言って、みんなでピッチャー一つ注文して、通いつめた。日本では高くて手が出なかった「ビックマック」を初めて食べたのも香港だった。劇的に安かった。

この3月、香港に着いて真っ先に行きたいところは、ネイザンロードや上海街、テンプルストリートのあたりだった。子供4人連れて「裕華」の看板を見たときは、ワクワクどきどきを通りこして、切なくて心臓が爆発しそうだった。重慶マンションには当時なかった大型スクリーンがあり、時代の流れを感じさせた。就職直前にも私は香港に居て、ここでスーツを何着も買ったなー、などとすっかり忘れていた記憶も蘇る。

週に二日夜にCauseway Bayにも通う様になった。子供の習い事(武道よっ)のためなのだが、深夜9時すぎてバス待ちの行列に並んだりする様になった。子供たちの目が輝く。「ママちゃん、信じられる?もうすぐ10時だよ!でもまだこんなに人が沢山いるんだよ。昼間みたいだよね。メルベンのシティだったらもう真っ暗で、お店も開いてなかったりするのに。信じられない!」空を見上げながら長女が叫ぶ。空はネオンで昼間の様に明るい。香港の人にとっては、まだ夜はこれからなんだよ。10時過ぎてからのエスカレーターから見える景色も最高。ビジネスを終えた欧米人たちがグラスを傾ける。お洒落すぎるっ。

子供たちは香港の街角にゴミが落ちていないことを、いつも感心して見ている。「香港って街がキレイだよね。」ほおばっているオニギリのご飯粒をこぼさない様にしながら、次男が言う。落としたら1500ドルだよね、って良く見てるねーっ(笑)

この街は「元気でワクワクだったバックパッカー時代の自分」、を否応なしに思い出させてくれる。無意識でもテンションが上がる街なのだ。

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