地方自治体発行のトークンによるエコノミーシステムで、仮想道州制が実現するかも、的な

ここ数ヶ月、いや「トークンエコノミー」という単語を聞いたその日から(たぶん三年間くらい)ずっと考えてきたのだけれど、まだ考えがまとまらないながらも、無理やり文章にしておこうと思った。年末だし。

地方自治体が発行するトークンの話である。

地方自治体は、例えば市町村レベルを想定していたのだが(たとえば丸亀市トークンとか)、あまりにも範囲が狭く、高齢化&人口減少に耐え得ないかもしれないと考え、範囲を広げて考えているうちに、「あれ、これって仮想的な道州制が実現しちゃったりして?」と思えたので、その範囲に広げるとする。つまり四国州トークンとか、そういう範囲である。

このトークンができることは一つだけで、「他人を動かすこと」である。

かつ、(目的外での)譲渡不可であり、法定通貨への交換、現実世界での物資への交換なども「技術的に」不可能となっているので、そのトークンを集めたところで、現実社会での生活が豊かになることは一切ない。ただし、「他人を動かすこと」には使える。

地方自治体はプレマインされたトークンをいくらでも配布することが可能であるが、それには条件がある。そしてトークンの機能については以下の通りである。

1、基本的には社会的弱者と呼ばれる人(他人の助けが必要であると思われる人)にのみ、同数のトークンが配布される。

想定されるのは、65歳以上のシルバー層、種々の理由で自立した生活が難しい人や引きこもりの人など、一人で外部を歩くことが難しい人が特に想定される。

2、トークンを保有する人は、そのトークンを「他人を動かすこと」に使える。

その他人はUberのシステムの様に手の空いた近所の人などが候補にあがる。時間が合えば、その人からサポートを受け、規定単位のトークンをその人に与える。

たとえば、近所のスーパーまで行って、荷物も持ってもらい、一緒に自宅に帰る、などの一連のサポートを行なってもらい、GPSで無駄な回り道などをしていないことなど、ある一定の「acceptable(許容)」を超えない範囲であれば、自動的にトークンが依頼者からサービス提供者へと移動する。

3、依頼者側はサービス提供者の行動にクレームをつけることができる。

クレーム手続きはかなり面倒で、詳細にサービス提供者とどういうトラブルがあったかを申告しなければならず、そのクレームが認められると、サービス提供者は10年間ほどの長い間、そのトークンを受け取る資格を剥奪される。(自治体からのトークン配布の対象者としての権利は失わない。)

これはかなり厳しい措置に見えるかもしれないが、依頼人に危害を加えるようなことも想定し得るのと、トークン受取の権利を剥奪されても、実生活には何の影響もないため問題ない(お手伝いをしてリアル通貨を受け取るようなビジネスを阻害するものでもない)。

4、依頼人が受けられるサポートは、ある一定範囲に限定されている。

サービスの内容は、自治体が提供するざっくりとしたリスト(ボタンの形式になっている)から選択し、サービス提供者のチェックインとチェックアウト、GPSによる移動経路などから自動でトークン数が計算される。

5、このトークンによる実社会における即時的な利益はほとんどない。

サービス提供側が、そのトークンが貯まろうと実社会における実益はほとんどないが、その自治体(例えば四国州)内で老後を過ごす際には、それを利用することができる。また若い人であっても独居で病気になったりした場合に、他人にお使いをお願いするなどで利用することができる。ただし、利他的行為に支払われるものであるため、「徳トークン」とは言える。そのため、その「徳」を大量に保有していることによる、実社会における何らかのメリットは考えられる(可能性としては、民間企業のサービスが割引になるなど)。

6、トークンは譲渡不可である。

そして本人の死亡と共に廃棄される。親の「徳」を子供が引き継ぐなんてことも有り得ない。

7、現金化や物資との交換、裏取引も(技術的に)不可能。

実社会における経済的価値との交換が不可であるため、例えば「少し遠い大型スーパーへの車での送り迎え」なども可能で、白タクとして取り締まりを受けることはない。サービス提供側はガソリン代などの自腹を払って利他的行為を行っているだけになる。

8、トークンにはインフレもデフレもデノミもない。

つまり、数十年後も同等のものを同等に使える。ただし、生活環境の変化によって単価の見直しは可能。たとえば、車での送り迎えが空中を浮遊する高速の乗り物利用になりw、結果的にその時間が二分の一に短縮されるのであれば、車と比べて単位が2倍に設定される、などは考え得る。

★★

なぜこういうシステムを思いついたのかと言うと、高齢化社会一直線の日本で、少しでも幸せで暖かい社会ができないかと考えたのだが、何をもって幸せかと考えた時に、お互いを気軽にサポートし合えるのが良いのではないか、そういう遠回りに見えることが孤独死の発見を早めることにつながるのではないかと思ったからだ。サポートを受ける側が遠慮したり自責の念を感じたりすることなく、かつ暖かい気持ちで他人をサポートする側にもメリットがあり、それが金銭的利益にならないもの、という考えにたどり着いた。

金銭的利益に換算されると、お年寄りからトークンを強奪する若者も想定されるし、自動算出のシステムでなければ、サービス提供側が勝手にトークンの数量を釣り上げたりすることも考えられる。一回一回のサービスに評価を加えるとお年寄りには作業が面倒なので、利用者側の操作は最低限にする必要があるとも考えた。

逆に、トラブルが完全にないとは言えず、告発するシステムは残しておきたかった。が、認知症のおじいさんを一所懸命サポートしたところ、勝手に評価を下げられてトークンがもらえないようなことになってもいけない。告発するには多少の手間と、そのクレームでサービス提供者のトークン受取の権利剥奪という重い罰則の意味も理解してもらう必要があると考えた。

このトークンは自治体または仮想行政区域(たとえば四国州)内では利用可能であるが、外部には持ち出せない(というか使えない)。老後に若い頃に蓄積したトークンを使いたいと思うのであれば、その場所から離れないのが得策なので、多少なりとも人口の流出は食い止められるかもしれないが、そこまでの魅力があるかどうかは、現時点ではよくわからない(笑)。

もう一つは専門的なスキルがあったり、独自性のあるコンテンツを持つ人には経済的価値が付与されて富める世の中にはなったが、特殊スキルを持つわけでもない市井の人々が、周りの人に喜んで手伝いをしてあげるような徳のある人であれば、それなりのリターンがあってもいいのではないかとも考えた。田舎に帰るとよく分かるが、ちょっとそこまで車で乗せていってあげる、という行為を経済的なリターンがなくとも友人間では実際に行なっている。そこを他人間でも気軽にできる仕組みはできないか、高齢化社会において老人が孤立することなく生きられないかな、とぼんやりと考えていた。気立ての良い優しい娘さんが若い時には多くの人を助け、老後には周りの人たちから多くのサポートを受けられるようになれば、割といい社会がまわっていくようにも思う。

これを実際に回すとなると、まずほとんどの部分を技術的に解決せねばならず(とにかく何も考えなくてもほぼ自動で行われるような仕組みにしないと、お年寄りや社会的弱者には使えない)、またそのためのデバイスをどうやって配布するのか、そのコストは誰が持つのか、色々と問題は山積なのだが、小さい自治体で少しずつ実証実験をやっていって、それが使えるものであれば、地方のIT企業が大化けできる可能性もある(と思う)。最初は、スマホ保有のシルバー層限定でやってみればいいかなと。

誰かやっていただけませんかね?ってか自分でやれよ、ですよね。わかってますってw

この他にも、県外から「田舎のお墓の掃除をして写真にとって送って欲しい」や、「実家に住む母に現金を届けて欲しい」、「実家の納戸の掃除を手伝って欲しい」など、田舎から離れた子供が実家の親に対してデジタルではできないことを誰かに頼みたいというニーズもあるが、これは地方トークンではなくて、実際の経済的価値を持つものでやり取りされるべきものであり、これはビジネスとして成り立つはず。

個人的には、さらに独居老人に対するサポートについて考えたいと思っているので、また悶々と思い悩む2018年になりそうだわ。若い人は若い人が幸せに生きられる世の中がどういうものか知恵を出し合って、それを実現すべく色々なサービスを世に出していただけるといいかも。

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